高血圧
心臓から各器官へ向けて血液が送られる際に、血管壁にかかる圧力のことを血圧と言います。血圧には、収縮期血圧(最高血圧:心臓から血液を送り出す際の血圧)と拡張期血圧(最低血圧:心臓が拡張し、血液を送られる状態になった際の血圧)があるのですが、血圧測定の際に収縮期血圧が135mmHg以上、拡張期血圧が85mmHg以上と判定されると、高血圧と診断されます。この状態が続くと、心臓から常に負荷をかけた状態で血液を送らねばならず、血管壁も常にそれに耐えられるよう硬化していくようになります。慢性的に血圧が高くなっても自覚症状が現れることはないので、症状は進行し、やがて動脈硬化が起きるようになります。動脈硬化は血管を脆くさせるので、血流を悪くさせたり、血管を詰まらせるなどして、狭心症や心筋梗塞、脳卒中、腎不全といった重篤な病気を起こしやすくします。なお、高血圧は主に2種類あると言われています。一つは本態性高血圧で、これは原因が特定できない高血圧とされていますが、肥満、加齢、乱れた食生活(塩分の過剰摂取)、激しい運動、遺伝、喫煙・飲酒といったことが組み合わさるなどして起きるのではないかと考えられています。なお、日本人の全高血圧患者の9割以上が、本態性高血圧と言われています。もう一つは、二次性高血圧と呼ばれるもので、これは腎臓病や内分泌異常(甲状腺機能亢進症など)、などの疾患や、ステロイド薬の長期使用などが原因となって発症する高血圧です。